一年ぶりのご夫妻との再会でショックなニュースをきく午後の食卓
涙で進まない食事中
「また次に会った時に」「また後で」
「そんなことはもうやめよう」という
心の声を聴く
どれほど悔やんだって
ヴェレナはもうこの世にはいない
私はあなたの優しさに、どんな優しさを返せていたのだろう
私はあなたの愛に、どんな愛で受け止めていたのだろう
愛を持って関係を続けられるご縁は、その人との付き合いの長さでは決まらない、会った回数でも決まらない、ましてやお金なんかでは決まらない
私の「天使友達」が、一人減ってしまった
天使すぎるヴェレナと出会ったのは2017年の新宿
今日、民泊に泊まっておられるとのことで「キッチンがあるからお料理をするね」とランチにお招き下さったご夫妻が、2017年に日本に来られた時に一緒に来日されたヴェレナご夫妻
ヴェレナご夫妻と会ったのはその一度きり
年末やクリスマスなどメッセージのやり取りの関係を続けていた
そんな中、2021年の7月、ヴェレナから突然の国際電話がかかってきた
私はその時のあなたの第一声とその声を、想い出して泣いていたのだと思う
「みすず大丈夫?あなたの顔が突然浮かんだのよ。電話しなきゃいけないと思ったの。コンタクト取るのは一年半ぶりね。最近は元気にしてるの?」と、ヴェレナが言った
私は日が落ちたばかりの部屋で一人で荷造り中だった。その状況を知る人は私サイドには誰一人いなかった。あの時の電話がなければ
今の私も
未来の私も
今と今用意されている未来とは同じではない
その電話の後の私のアクションを変えたヴェレナは私の未来も変えている
お互いを想い合う心は物理的な距離を越える。心の距離は近くても遠かったり、遠くても近かったりする。まるでテレパシー
私は、ヴェレナの優しさに救われたのに、また会えると思って、送りたいと思っていた贈り物を先延ばしにしていた上に、お手紙すら書いていなかった
悲しさの涙なのか、悔しさの涙なのか、後悔の涙なのか…自分への憤りの涙なのかわからなくて
泣きながら食べたサラダは何の味もしない
泣き止んだからサラダにフォークを通すけれど、食べようとすると涙が始まる
同じくヴェレナの優しさに触れたご夫妻のご主人の方と私は、二人で声にならない言葉を涙ながらに紡ぎ出し
ヴェレナとの思い出を語り合う。ずっと頬を伝う涙。お互いの涙を確認しては、もらい泣きあう
サラダの上に涙がポトンポトン、落ちてゆく
そんな私たち二人を、真っ赤な目をして無言で見守る奥様
ただただ3人で、ヴェレナを思い出し、乾杯をし、感謝をした1日
ランチタイムは13時前から始まり
気がつけば17時になっていた
ご夫妻も日本に到着した後に、そんなニュースを受けるとは想像していなかっただろう
ヴェレナのご主人のご配慮により、誰も本当の病状を知らなかったらしい
「ヴェレナ。あなたからの贈り物のクリスタルの菓子器、ずっと大切に使います。まだ大切に、いつか使おうとしまってるの!」そんなことを伝えたい
「来世かあちらの世界で再会し、お礼を絶対に伝えたい。絶対また会いたい」と願う
私の心
後から願うくらいなら、その時に
お仕事なんてお休みすれば良いかったよ
まさかの時の貯金なんかせずに
フランスまで会いにいけばよかったよ
命と愛はお金では買えないんだったよ
ごめんね、ヴェレナ
大好きだよ、ヴェレナ
あなたに触れた人みんな、あなたが大好きです
優しさとたくさんの愛と美味しい食事、誠実な心と美しい会話をありがとう
また絶対会おう